RAMS[3] 必要性
RAMS規格に基づいて安全電子機器を設計する必要があるのでしょうか? 普通は安全電子機器を生業とする会社は長くからそのような製品を設計したはずです。そうであれば、おのずと安全な機能を実行する製品の開発規定は社内では既に持っていることでしょう。しかし、まったくそんな製品を作ったことがない企業が安全電子機器を設計して販売しようとした場合はどうでしょうか? 買う方も不安になりますよね? 作る方も不安でしょう。そのために標準化された規格があるのです。買う方と作る方にとっては有用な規格です。これには違った見方もあります。既に、長い間自分たちが作り上げた規定・方法で製品を作ってきた企業にとって、異なる要求が標準化されてしまったらどうでしょう? ルールが二つになってしまいます。買う側も今までは長年の付き合いからお互いを信用していた企業から買っていたのにも関わらず、まった知らない企業からうちの製品はRAMS規格に基づいて設計したのだから、世界標準の安全性がありますので買ってくださいと言われたらどうでしょうか? その逆もあるわけで、企業が今までも市場から飛び出そうと思ったときに、新しい顧客に売り込むにRAMS規格の適合性製品ですということもありますし、顧客が今まで買っていた製品ではなく新たな製品を買おうと考えた時の製品の安全性のよりどころとしてRAMS規格の適合性を求めるということもあるでしょう。どっちもどっちなのです。長年。このジレンマの矢面に立っていた私としては人は勝手だなぁと思います。
そして、ここで重要なのがRAMS規格に基づいて設計したとどのように証明するかです。世の中、よく考える人がいるもので、この証明を生業にする企業があるんですねぇ。それをISA Independent Safety Assessor と呼んでいます。 これは、次回に。