RAMS[5] ISA

前回の記事で書いたように、「RAMS規格に基づいた製品」だと証明するのには第三者に見てもらいます。世の中にはそれを生業とする企業があり、純粋な日本の機関は「独立行政法人 交通安全環境研究所」の中にある 「鉄道認証室」一つしかありません。RAMS規格はEN規格から来ているので、欧州にはこのようなISAが沢山あり、その日本法人も日本にあります。主なものを以下にあげておきます。

  1. テュフ ズード | TÜV SÜD – TUV SUD
  2. テュフ ラインランド |TÜV Rhineland
  3. リカルド | RicardoJapan株式会社

第三者認証には資格は要りませんが、無名の個人が認証しても顧客は「誰、その人?、その会社って聞いたことない」となって全く意味をなさなくなります。裏を返すと、ISAは世界で有名な所を使えばこのような問題はありません。

ここで、少し言葉の説明をしておきます。今まで、ISAと言ってきましたが、ISAとはIndependent Safety Assessor 独立した安全を評価をしてくれる人、又は機関を指しています。いわゆる安全を評価してくれる第三者という事になります。あくまでも安全性の評価、アセスメントであり、規格適合を言っているわけではありません。しかし、実際にはRAMS規格適合性評価と言葉を変えてます。規格適合性評価とは適合すべき規格に対してその製品が満足しているのか、してないのかを見極める判断材料を集めることを言います。そして、その判断材料もしくは結果案を見て規格に適合しているかどうかを最終判断することを認証と言います。つまり、第三者的に規格適合性を評価・認証してくれる機関を第三者認証機関とか第三者評価機関と言います。この二つを別々に行っても構いませんし、同じ企業内で行っても構いませんが、評価と認証は独立していなければなりません。例えば、評価した人が認証をしてはいけないという事になります。認証の仕方は色々あり、合議で決めたり、認証する専門の部門を置いたり企業それぞれです。なんとなく、本来のISAと意味合いがが異なってますよね。あえて理解するとするとRAMS規格に基づいて、安全性の評価をする機関ということでしょうか。ちなみに、あなたはISAですか? 規格適合評価機関ですか? と聞いてみたら面白いと思います。

認証機関はその国が認めた認定機関から認定されていることが推奨されます。敢えて推奨と書いたのは先に書いたように、顧客が認めればどんな人、機関でも認証することは理論的には可能だからです。しかし、国から認定された認証機関は国のお墨付きが付くので顧客も納得感がありますし、上記で書いたような有名どころ認証機関なら、名前だけでOKでしょう。認定機関は定期的に認証機関に対して監査を行うので一定上の水準の認証機関しか認定されないからです。この辺りの仕組みはまた別の機会に書きたいと思います。当然のことながら上記の3社を含めて有名な所は全て認定機関からの認定はもらっています。

では、数ある認証機関の中でどのように認証機関を選択すればよいのでしょうか。その前に、Generic Product (GP)、Generic Application (GA) と Specific Application (SA)の話をしておく必要があります。 GPとGAは顧客は関係なく開発企業のみ関係します。しかし、SAは納入先(顧客)が存在してます。なので、SAに関しては、顧客が決めるか、メーカが決めるかで変わってきます。買う側はちゃんと隅々まで見て欲しいし、納める側があまり煩いことを言わない認証機関が良いわけですし。あとは価格でしょう。